Perfect Days
ELLEGARDENは私の全てだった。
そう言葉にしたところで、当時の私がいかに心酔しきっていたかなんて、きっと万分の一も伝わらない。
だけど私は確かに、病める時も、健やかなる時も、エルレを聴いていた。
エルレの活動休止が発表された日は、あまりのショックに学校を休んだ。
音楽の良いところは、消えて無くならないことだ。カセットテープがMDに姿を変え、やがて小さな円盤となり、ついには何ギガバイトのデータと化しても、消えて無くなるわけではない。
同じように、エルレが活動を休止しても、彼らの残した音楽や、青春を彼らと共にした記憶が消えて無くなるわけではなかった。
だから私は、思春期特有の不安定な時期もエルレで乗り越えた。
私が生きる理由は、ルフィがワンピースを見つけるまで見届けるため。
そして、エルレ復活の場に居合わせるため。
冗談抜きでそう考えていた時期があった。
もし尾田栄一郎に何かが起きて、一生漫画が描けなくなったら。
細美武士が歌えなくなったら。
生きる理由が無くなってしまう。
今となっては馬鹿馬鹿しいのだけれど、そんなことを考えては眠れなくなる夜も本当にあった。
やはり私の青春を構築したバンドということもあって、今でも思い入れは強いのだけれど、あの頃のエルレに対する情熱は控えめに言って異常だったと思う。
細美武士の書く歌詞ひとつひとつが、ハートのど真ん中、深いところまで刺さったし、細美武士が何を歌いたいのかも、(自分なりに)完璧に咀嚼した。
Yahoo!知恵袋や2ちゃんねる辺りでファン同士が曲の解釈を争って議論していると、「そうじゃないだろクソにわか」と思ったし、たまに「そうじゃないだろクソにわか」とコメントすることもあった。
まじ不毛。
ただ、彼らの音楽を聴くと、生きていく上での歯痒さやもどかしさ、酸いも甘いも、全てを掬い取ってくれているような気がした。
鼻で笑う人もいるだろうけど、当時の私にとって、エルレはそれくらい“全て”だった。
今日、エルレより先に一世を風靡したハイスタが、事前告知一切無しでCDをゲリラ販売したというニュースを聞いた。
私がエルレに夢中だったように、きっと当時ハイスタに夢中だったであろうスーツ姿のサラリーマン達がCDショップに大行列を作っていたと聞き、胸が熱くなる。
サラリーマン達にとって、ハイスタは青春の全てだったんじゃないかな。
私にとってエルレがそうだったように。
ふとエルレの曲が聴きたくなって、仕事帰りの電車でiPodを弄る。
耳から聴こえてくるのは、いつまでも消えて無くならない、青春そのもの。
(思いの丈を綴ったら下手くそなポエムみたいになった)